3 殺人の手段と結果
3.13 凍死
寒さに対する身体の限界については、前述した。
体温が低下すると、体の震えののち、直腸体温が35℃を下回ると疲労感、倦怠感、眠気が現れる。34~33℃になると思考力が低下し、意識はもうろうとし、恍惚感を得る。30~26℃になると意識を失い死に至る。
自殺においては、まれに雪山凍死自殺が行われる。街中で行う場合、空腹、睡眠不足、疲労が重なった状態で、アルコールを摂取して血管を拡張し、全裸で体表を水で濡らし、熱を奪いやすいコンクリートの上などに横たわり、眠気がくるのを待つ。気温5度、無風、半裸体、空腹の状態なら、1日以内に凍死する危険性が高い。
水中では水温15℃で凍死の危険性があり、水温5℃なら数時間で死亡する。