3 殺人の手段と結果
3.9 爆殺
火薬や気化したガソリンの爆発での伝搬速度は300~500m/sであり、爆燃と呼ばれる。対して、爆薬による爆発での伝搬速度は3000~7000m/sであり、衝撃波を伴い、爆轟と呼ばれる。
火薬でも爆薬でも、容器などに密閉して着火することで、燃焼時に発生したガスが圧縮され爆発し、容器も四方に飛び散ることで威力を増す。
爆発により発生した衝撃波による一時的損傷を受けて死亡した場合、衝撃波によって吹き飛ばされ地面や壁に衝突した際の損傷や飛散した物体による二次的損傷を受けて死亡した場合、生じた熱により死亡した場合を爆死と呼ぶ。衝撃波によって瞬時に血圧が下がり心停止するため、胴体や四肢が千切れていても出血はしない。
手榴弾は、衝撃波や爆風圧ではなく破片により殺傷力を生み出している。パイナップルと呼ばれる対人殺傷用手榴弾では、凹凸のボディーが割れて破片となり、半径4.5~9mがキリングゾーンとなり、最大半径45mまで破片が届く。