5 殺人と法律
5.3 心理検査
5.3.1 ロールシャッハ法
図版の一覧は下表の通り。番号列の1番目の図は実際の図版であり、2番目の図は阪大法のスコアリングで使用する図でDが大部分反応、dが小部分反応の番地を示す。
2番目の画像は「改訂版 ロールシャッハ・スコアリング 阪大法マニュアル」より引用
5.3.1.1 正常な精神状態の判定事例
名大法のスコアリングだったため、次の事例と揃えるために(だいたい)阪大法に変換している。
図版 | 時間、カード方向 | 反応 | 質疑 |
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Ⅰ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:2分32秒 |
22秒 0度 |
第一印象は、あのー、犬の顔です。はい、まず。で、そうですね、あと…… |
目と、こっち垂れ下がっている耳(DⅡ)と、顔の輪郭(DⅢの外側)もこのあたり捉えて。ここが口ですね、はい。 反応領域:図版全体と空白(メインの反応に付随)を用いた反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:動物の部位
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33秒 180度 |
ひっくり返した時に、こう、ちょっとタワーのような、にも見えましたし、 |
こっち(DⅣ上部)が上なんですけど、形的にこう、三角錐のような形になっているところからのイメージで、あの東京タワーじゃないですけど、こうメインが支柱になっていて(DⅠ)みたいな。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:建築物
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人が立っている、大きく足を広げているようにも、ちょっと今一瞬見えましたが、そんなようにも見えるぐらいですね、はい。 |
ここが頭(DⅣ中央部)になりまして、胴体で、足ですね(DⅤ付近)、で手がこういう感じになっているのかなって(腕を曲げ両手を頭に当てる)。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は低い。
反応内容:人間
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57秒 0度 |
あとは、うんと……。この向きでいくとやっぱり、鳥のような、コウモリのような、そういう風にも見えますし。うーんと、例えば……。えーっと、いやでもなんだろうな。 |
ここが翼になって(DⅢ)、ここが頭部になって(DⅤ)、全体像として、1匹というか、こっちが尾ですね(DⅣ下部)。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:色彩の要素を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、平凡反応
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1分58秒 270度 |
うーん。縦にしたときに、具体的なものではないんですけど、ちょっとこう、豚のようなイノシシのような動物が見える反面、下側は影のような感じにして捉えるようなこともできるのかなと。それぐらいかな。こんなような感じで良いですか?はい。 |
ここ豚の鼻です(d4)。で耳が立ってます(d2)。で体があって(DⅢ)、前脚、後ろ脚って感じで。こっちはその影が映っているというような。 反応領域:図版全体を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:立体的な知覚が見られる反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、その他
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Ⅱ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:2分50秒 |
41秒 0度 |
ああ、うーん。まずは……。うーん。まずパッと見た感じは人が2人、中腰のような形で、手を合わせているという風に、まずは見えました。 |
頭部(DⅢ)、 ここが手のひら(d1)で腕ですね。ここ(DⅡ)が胴体になって、膝を突き出している、座っている。左右対称で2人座っている。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:人間、平凡反応
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1分33秒 0度 |
あと……うーん。すごく断片的というか、まぁあの個人的に、この赤いところが足首より下。なので、ここが下半身。足がちょっと気持ち悪いですけど、ここが部分的にはちょっと足、という風にも見ることができるのかなとか。あと……そんな感じかな。 |
えっと僕がちょうどこういうくるぶしが赤色の陸上用のソックスを持ってまして。だから、ここはソックス(DⅢ)です。足です(DⅡ)。であの、黒いズボンです。<気持ち悪い?>うーん、やっぱり色が、表現するときにまぁやっぱりこのあたりとかの(DⅣ)説明がしづらいなと。自分はまぁこう見えるけれど、自分が見たものに対しては説明がやっぱりしにくいなとか。赤が入っちゃているんで、気持ちはよくないなぁという感じです。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:色彩の要素や濃淡の要素を用いた反応。形態水準は低い。
反応内容:人間の部位、衣服
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Ⅲ 初発反応時間:3秒 反応終了時間:2分50秒 |
9秒 0度 |
うーん……やっぱり僕は人を連想してしまうんですが、周りの色とかはすごくまぁ、気になってしまうので、これ(D2+2)は何かというとそれは言えないんですけど、パッと見た感じここが向かい合っている人にも見えますし、 |
頭部で(d1)、ここ(DⅥ)が胴、胸部、手で、こう何か物を、重たそうなものを持って(DⅧ)、これ脚(DⅣ)ですね。人が2人並んでっていう風に見えました。<重たそうなもの?>んー、それは何と言われるとまぁトレーニングしているような、ウェイトかなっていう。重たいものをこう、背筋を鍛えるための。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。
反応内容:人間、道具、平凡反応
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180度 | ひっくり返しても何かを踊っているというかダンスをしているような。顔で腕でお腹で、上半身だけなんですけど。 |
ここが顔(DⅧ)になって、ここが腕(DⅣ)、で上半身(DⅥ)。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:人間、娯楽
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1分6秒 180度 |
そうですね、あと……昆虫チックな、ヤゴのような、にも見えますし。何だろうな…… |
ここが顔ですね(DⅤ)、で目ですね(DⅧ)、で前脚です(DⅣ)、でこう胴体があるっていう。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、2個以上の概念を1個の反応に統合した反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:動物
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Ⅳ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:1分47秒 |
27秒 0度 |
うーん。うーん?第一印象は、ちょっとこう、竜がこっち側を。頭がこの向きですと下にあって、っていうような風にも見えますし。 |
ここが頭部ですね(DⅠ)、目になって、鼻から口にかけたところ、やや短いひげです。で、体に繋がっていくところ(DⅤ上部)。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:非現実的な動物
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40秒 0度 |
どっちかっていうとちょっと気持ち悪い、なんか怪物のような、人型の、そんな風にも。 |
ここが頭になって(d1)、ずっしんとここが足ですね(DⅣ)<気持ち悪い?>まぁ人ととらえるなら腕(d2)がすごく短かったり、頭がちっちゃかったり、ここ(DⅠ)がいわゆる股間的な要素になったり、極端に足が大きいっていうアンバランスさから。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:非現実的な人間
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1分20秒 180度 |
うーん、あとはあれかな……。この向きだと、犬の顔、まぁ耳の垂れた犬の顔ですね。 |
目になります(DⅠ中央部左右の空白)。正面の顔で、鼻筋になって(DⅤ)、ここ(d1)がヒゲになって、ここ(DⅢ)が耳になってという。 反応領域:図版全体と空白(メインの反応に付随)を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物の部位
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Ⅴ 初発反応時間:11秒 反応終了時間:2分15秒 |
11秒 0度 |
パッと見はちょっとこう、チョウチョのような感じに。そうですね……。うーん。 |
翼で(DⅠ)頭があって(d1)っていう漠然とした形からチョウみたいな感じです。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、平凡反応
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38秒 0度 |
人が、こう作った翼を広げて立っている風にもちょっと見えますし。うーんと……。 |
ここが頭(d1)、ここがちょっと何となく目と鼻っていうようにも見えたので(d1下部)。あと脚の形として(d3)見えたので、人をここにイメージして。大きな翼(DⅠ)を、作った翼を広げている。 反応領域:図版全体を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:人間、その他
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1分36秒 180度 |
あとなんだろうなぁ。なんかこう、ハサミだけが発達したエビのようにも見えます。 |
ここが(DⅠ)、一番前腕というかハサミになってるんですけど、ここだけが異常に発達している。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物
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Ⅵ 初発反応時間:10秒 反応終了時間:2分44秒 |
22秒 0度 |
まず思いついたのが、左右対称になってはいるんですが、天狗の顔のような感じと。 |
(0度の向きでも180度の向きでも)どっちでもありかなって思っちゃったんですけど。こっちだと、ここを鼻(d1)として、アゴ(DⅤ下部)ですね、口と。天狗の顔、お面というか、ここが飾りに(DⅠ)。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:仮面、非現実的な人間の部位
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180度 |
天狗に関してはこうひっくり返してもありかなっていう。ここが(d1)当然鼻になって、ここ(d2)あごひげになってくるのかなっていう。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:仮面、非現実的な人間の部位
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40秒 0度 |
まぁちょっとこう、ギターのような楽器、のようにも見えましたし。 |
全体像です。全体像でこっちがトップになって(DⅠ)、多分こう、弦がこういう風に張られていて(DⅥ)、このおしゃれな形(DⅡ輪郭)っていうような、はい。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:音楽
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1分 0度 |
うーん。そうですね。こういう気持ちの悪い、なんか生物がいるんじゃないのかなみたいな、そんな風にも感じましたし。 |
こっちが頭になって(d3)。でこう脚がゆるゆるゆるっとあって(DⅢ)、異様にちょっと大きい体(DⅡ)があって。<気持ち悪い?>どうしても、アンバランスさからくるのかなって。これを虫としてとらえるなら、ここから後ろが極端に大きくなっていくところとか、不要なものかなと。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物
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1分26秒 180度 |
うーんと……。やや強引に、えーと、子供の遊ぶ、あのジャンピング、あの何だけっけな、子供が足を、両足を載せて動く、ぴょーんぴょーんってやるあのおもちゃにちょっと見えたりとか。 |
これ(d1)手を握るところで、足をかけるところ(DⅢ)。ジャンピングホッパーじゃなくて、そんなような名前……。<ホッピング?>あ、ホッピング。そうですね。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:玩具
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Ⅶ 初発反応時間:14秒 反応終了時間:2分59秒 |
18秒 0度 |
これ難しいな。でもまぁ、そうですね、まずはこう、お下げをしている女の子の髪の毛が、ちょっと上に上がっている、女の子が向かい合っているという風にまずパッと見えました。 |
ここ(d2)がお下げですね。で頭(DⅢ)で、頭の出ているところで(DⅢ中央付近の出っ張り)、口になってあごになって(DⅢ下部の出っ張り)っていう顔に見えたので。そういう女の子が対称的に向かい合っている。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:人間
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1分39秒 0度 |
えーっと、そして。そうですね、うーん。まぁこう絶妙なバランスで、積み重なっている岩、石という風にも。ちょっとほんと強引ですけど、そういうようにも今思いました。 |
これらが全部(DⅢ+DⅣ+DⅥ)、単体の岩です。それがあの、ここの石(DⅥ)の上にこいつ(DⅣ)が載ってて、こうまた石(DⅢ)が載っているので。バランスとって。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:濃淡の要素を用いた反応。無生物の動きに関する反応。形態水準は高い。
反応内容:自然
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Ⅷ 初発反応時間:2秒 反応終了時間:2分57秒 |
17秒 0度 |
はぁ、うーん。そうですね、まずは……ちょっとこう爬虫類のような生き物が登っているようにも見えます。それが、まず第一印象でしたね、はい。 |
これですね(DⅠ)。ここがカメレオンのような動物ですね。こっちが頭になって、前脚、後ろ脚っていうような感じで、胴体があって、それが登っている。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。色彩の要素を用いた反応。形態水準は低い。
反応内容:動物
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1分35秒 180度 |
うーん……何かなぁ。反対向きにしたときに、生き物の顔のようにも見えます。うーん、なんというか、まぁちょっとこう何の動物かっていうのが、特定が自分の中であのー、しづらいんですけど。でもなんかちょっと悲しそうにしている、生き物の顔にも見えます。 |
正面の顔です。正面の顔で、ここが垂れ目の感じで(DⅡ内部)。で輪郭がこうあって(DⅠ)。この辺が口(DⅢ)になって、ヒゲが生えている感じになりますけど<悲しそう?>うーん、まぁなんか、ここがちょっとこう涙のように。目じりのところがちょっと白くなったので、泣いとるのかなっていう。 反応領域:図版全体と空白(メインの反応に付随)を用い、2個以上の概念を1個の反応に統合した反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な人間の部位
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Ⅸ 初発反応時間:41秒 反応終了時間:2分26秒 |
41秒 0度 |
まずは……えーっと、鉄仮面をちょっとこう、かぶったような姿に。頭からここ肩とか胸のところまでを、僕は今見たんですけど、そういうなんか、西洋式の兜をかぶった甲冑のような。 |
ここが顔(DⅡ+DⅢ)でして、でー、首、胴体(DⅥ中央部)、肩(DⅦ)ですね。そうするとここが目の位置になって、口の周り(DⅡ)をこう、その甲冑が覆う、まぁさらにこうかぶさっているっていう、前部甲冑なんですけど、そういうイメージですね。 反応領域:図版全体を用い、2個以上の概念を1個の反応に統合した反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:仮面、非現実的な人間の部位
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1分3秒 180度 |
それをちょっとこう逆さまにすると、なんか女性が、気持ち悪い女性が笑っているようにも見えるかなとか。 |
大きな目、で口です。大きな口が笑っている。で髪の毛(DⅡ)として。ここ(DⅠ)はまぁ色々考えたんですけど、なんかかぶっているのか、それともつけているのか……ちょっと強引かなとか。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部と空白(メインの反応に付随)を用い、2個以上の概念を1個の反応に統合した反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:人間の部位
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1分52秒 180度 |
えー、うーんと……。なんかこの辺りが、インコのような小動物の鳥にも見えて、こう、木陰で休んでるみたいな、そんな風にも見えますし。 |
これで1羽です(DⅢ)。頭から体にかけて、ここが尾ですね。でここ(d1)が足。木陰のようなところ(DⅡ)の下で2羽が仲良く休んでいるという。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部と空白(メインの反応に付随)を用い、2個以上の概念を1個の反応に統合した反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、自然
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Ⅹ 初発反応時間:2秒 反応終了時間:2分27秒 |
14秒 0度 |
うーん……何かパッと見た感じは、小さな生き物がたくさんいる絵に見えました。昆虫とか、そうですね。ちょっと小動物とか、いろんな虫がたくさんいるという、そういうちょっと、に見えました。 |
これがクワガタ(DⅩⅣ)に見えまして。この辺(DⅧ)も昆虫に。これは最初クモっぽさを感じて(DⅠ)。これ(DⅥ)がちょっと大きいですけど幼虫(DⅥ)にも。これが(DⅣ)なんていうんだろ、蛇じゃないですが、体の長い生き物とか。黄色いこれも(DⅤ)、小動物のように。あとこの辺(DⅩⅡ)は葉っぱみたいな。ただ若干ここ(DⅠ)に関しては、虫にもとらえたりとか、水としてまぁ青色なので、水のあるところに虫がとか、まぁなんか餌を求めてとか、そういうような。だからこの辺(DⅡ)が落ち葉であったりとか、黄色とオレンジとか、そういうようなイメージで。ここ(DⅢ)は木ですね。 反応領域:図版全体を用い、2個以上の概念を有する反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。色彩の要素や濃淡の要素を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、自然、平凡反応
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1分29秒 180度 |
あと、うーん……何かな。あのー、でもちゃんと顔にも見えます。ひっくり返した時に、何かちょっと笑っているような、顔を表すようにも見えますし。 |
これはちょっと強引な感じもしたんですが、目(DⅤ)ですね。口になって(DⅨ)、なんか笑っているのかな(DⅨの輪郭)って。<目と口で……?>目と口のバランスから。これも人間ではないので、この辺(DⅣ)が模様になったりとか。 反応領域:図版に一般的ではない分割を施し、空白自体に意味を持たせた、異常な反応
決定因・形態水準:人間の運動や状態に関する反応。形態水準は高い。
反応内容:非現実的な人間の部位
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自分をイメージする図版:(Ⅷ)難しいな。状況に応じて身の色を変えていくみたいなところとかカメレオンが生きるための力なので、その努力をしているところに共感して好きです。
側面 | 解釈 |
---|---|
知的側面 | 図版特徴に基づいた明細化が可能であり、非現実的な作話も見られないこと等から、知覚の正確さを備え、基本的な現実検討力が保たれている。また形態水準の高い「形のみに基づく反応」や「人間の運動や状態に関する反応」が多い。平凡反応や反応内容の多様性も一定程度見られ、知的機能の高さが感じされる。「図版全体を用いる反応」が多いことから、達成欲求が強く、論理的・抽象的な知的能力、思考形式を備えている。一方で、達成欲求の高さから、やや無理な反応が見られたり、色彩ショックや不全不安と言った情緒的側面が影響したりすることで、知的な機敏性は時に遅延しがちになり、やや形態水準が下がることもある。 |
情緒的側面 |
形態水準の高さから、内面が情緒的に刺激されても基本的には客観的な事実・現実を踏まえることのできる自我の強さを備えている。また、体験型のスコア指標に従うと、体験型は顕在、潜在ともに内向型であり、自らの思考や欲求を基に外界に関わりやすいタイプと思われる。
一方で、色彩や濃淡に縛られず純粋に形から答えた割合は低く、内面は情緒的に動きやすいと思われる。Ⅰ・Ⅱカードで試験に関する質問をしたことから初頭緊張が強まりやすい様子があり、たまに自己を批判する表現をしたり詳細な説明を行っていたことから、不全不安の強さに伴ってやや強迫的に特徴を捉える様子も見られた。さらに、色彩ショックとしてⅡカード「下半身」において赤領域の扱いに苦労した点や、Ⅷカード「カメレオン」の説明に他の部分の色彩を用いている点等から、時に日常生活で経験する様々な情緒体験で動揺が生じ、現実に即した情緒的な意味付けがやや難しくなることがあるかもしれない。
ただし、スコア指標から、やや強めであるが情緒の外的統制は効いており、衝動的な情緒表出は見られないと考えられる。Ⅰカード「人が立っている→コウモリ」やⅨカード「気持ち悪い女性が笑っている→インコのような小動物が木陰で休んでいる」などで一旦低下した形態水準の回復が見られる点などから、現実検討力が立ち直る自我機能の強さも備えている。
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対人的側面 | 人間に関する反応は多く、人への感受性や興味関心は高い。これは評価懸念なども含め、対人的過敏さに繋がりうるかもしれないが、「人間関係に関する反応」の形態水準は保たれており、ペア反応(対称性を利用して2つの物体を認識する反応)も多く、適切な共感性を発揮しながら人と関係を構築できる力があると思われる。さらに平凡反応を含め、反応の基礎的な概念は適切な(頻度の高い)反応が多いことから、対人認識は現実的で、周囲と同じ物の見方が可能と考えられる。 |
5.3.1.2 典型的な統合失調症の判定事例①
目がくぼんでいて、ぎょろっとしている。くまも目立つ。げっぷや欠伸をためらわない。また、一見すると疎通は取れているように感じられるが、奇妙な言葉遣いが目立つ(性格について尋ねると、「一言でいうならボンジュール」「好奇心旺盛なうえに社交的という意味です」と答える等)。
図版 | 時間、カード方向 | 反応 | 質疑 |
---|---|---|---|
Ⅰ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:35秒 |
1秒 0度 |
コウモリ |
<コウモリ、ドラキュラというのは一緒?別?>なんとなく別かもしれない。<コウモリについて?>この羽に見えた形と目の可愛さと、カラーで。<羽は?>上の尖った部分、2層ある。尖った部分と(D3上)、ここから2層(D3下)。<2層というのは?>チョウのように、2枚羽で見えた部分。<目は?>このパーマンみたいなところ(d5)、かわいく見えたので、コウモリに適していた。<カラー?>ダーク、灰色って英語でなんて言うんでしたっけ?<グレイ?>ダークグレイですかね。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形と、白黒のみの色彩の要素を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、平凡反応、断定口調
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2秒 0度 |
ドラキュラ |
コウモリという概念がありまして、本能的に出たのと、この白いのがキバに見えたので。<キバは?>この上の白い部分(上S)。<キバ以外のところは?>コウモリと言ったので、概念的に本能でそう見えるかなと思いまして。 反応領域:図版全体を用いているが、図版の一部だけ明瞭に用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な人間の部位、断定口調
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10秒 0度 |
落ち葉 |
カエデの落ち葉の形に見えて、何かなつかしさがあって、落ち葉と言ったと思います。<どこがどう?>この形。<もし他にも?>あのペインティング、カラーの風合いで。トールペイント。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:植物、断定口調
|
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20秒 0度 |
リュウ、タツノコ、タツノオトシゴ |
見え方は一緒、トールペインティング、形、ペイル。<ペイル?>輪郭というか。<どこがどう?>特に。ここが口の先端だとすると(d2先端)、ここお腹に見えて(d1当たりの輪郭)、ですね。<何匹?>2匹。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
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25秒 0度 |
カエル |
なんか、あぁ……顔がカエルさんに見えて(D5)、体カエルさんやなぁと思って(D4)。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
|
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26秒 0度 |
鬼 |
鬼は、するどい目と(上S)、角があって、鬼かなーと思った。<カエルと鬼は別?>えぇ、別です。<角は?>ここか(d3)、ここ(d4)。 反応領域:図版全体と囲まれた空白部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な動物の部位、断定口調
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30秒 0度 |
それくらい。ウーパールーパー。 |
ここだけです(d3)。<それはウーパールーパーの?>角というか、突起ありますよね?耳代わりの、それだけです。<他のところ?>カエルと一緒ですね、この辺(D1)。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
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Ⅱ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:15秒 |
1秒 0度 |
血液 |
この血痕的飛び散り方と(D4突起)、あと色だけです。<色というと?>赤色、朱色から。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形を持たない対象の色彩の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:血、断定口調
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2秒 0度 |
チョウ、バタフリー |
ここだけ、ここの形だけです(D4)。<どこがどう?>えぇ(突然うつむく)。眠たい……。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、断定口調
|
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13秒 0度 |
ツタンカーメン |
どこやっけ……あぁ、ここだけ(D2上部×2)、目、口。<どこ?>ここのひずみと口だけ(d3辺りの2か所)。<目で口?>はい。<他のところは?>ここが(D2上部やや内側)、アボリジニーっぽい、なんていうか、ツタンカーメンのカーメンの部分に見えたんです。<カーメン?>ツタンカーメンって、カッパみたいじゃないですか。そこの部分という意味なんですけど? 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:人間の部位、断定口調
|
|
Ⅲ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:20秒 |
1秒 0度 |
クモ |
顔で(D5)、ここが手足で(D4×2)、ここで何かやるみたいな(D7辺り)。なんか掴むというところ(言い終わると同時にうなだれる)。 反応領域:図版に一般的ではない分割を施した、異常な反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物の部位、断定口調
|
2秒 0度 |
リボン |
ここだけです、ここ(D3)。<特に?>かわいらしいので。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:衣服、平凡反応、断定口調。
|
|
10秒 0度 |
タツノオトシゴ |
こっちだけです(左D1)。<どこがどう?>顔の部分で、曲がり腰曲がり。<右は?>は目につかなかったです。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
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12秒 0度 |
人が手をつなぎ合わせようとしているところ |
<人とクレオパトラは一緒?別?>私は別と。これが人だとすると(D2)、これ手をつなごうとしているところ(一般に手となる部分の先端にある突起)。<ここ?>はい、手。<他のところ?>女性で、お尻、顔、胴体、足。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:人間の運動か姿勢に関する反応。形態水準は一部良好だが低い。
反応内容:人間、平凡反応
|
|
15秒 0度 |
クレオパトラ |
なんか輪郭だけです。<もう少し詳しく?>どっちもあって、この尖った部分(d1突起)、それだけです。格好も。<恰好というのは?>すぱっと、きりっと、りんとした仕草。<尖った部分はクレオパトラの?>鼻です。<他のところは?>ここお尻で、ここ足(D4)とするなら、どうしてここが尖っているんですか。(D4中央の突起)。どうしてここが尖って描かれているんですか?私の意見を言ってもいいですか?メデューサ的神話。クレオパトラが、メデューサという悪という説明を恐れて、女を描くなら、ドラムという名の膝の辺りを、下顎に見せて、その突起の部分に竜の鼻、メデューサには負けていないよというガに見えるように描くようにしたのかなって思って。<ガ?>絵画のガです。<ドラム?>なぜか勝手に出たので。あ、膝小僧って英語でドラムって言いましたよね?私よく分からないけど。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:人間、断定口調
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Ⅳ 初発反応時間:5秒 反応終了時間:20秒 |
5秒 0度 |
妖怪、巨人の男、木、ビックフット |
なんかさっきと同じに。似てるけど肖像画。一言でいうとビッグフットみたいなもので、キツネが強くなろうとするがために、ツタンカーメンを見せて、顔の要素に取り入れて、このでかい足を(D3)、強いぞの象徴とした。それがなぜかひょろひょろ(d2)。それが気持ち悪さに見えて、妖怪と。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は一部良好だが低い。
反応内容:非現実的な動物、自然、平凡反応、断定口調
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Ⅴ 初発反応時間:5秒 反応終了時間:20秒 |
5秒 0度 |
コウモリ |
第1回目の説明と同じ。今思ったことはポイントはここの足の部分(d3)。あとは全体的な形。<もし他にも?>それくらい。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、平凡反応、断定口調
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10秒 0度 |
耳 |
耳?あぁ、ハルモニウムって形ありましたよね?小学生の時、保健室に貼ってあるポスターで見たんですけど。その形に感覚的に見えて、そういったと思います。<ハルモニウムは、耳の中にあるこういうの?>はい、そうです。 反応領域:図版全体を用いているが、輪郭を意識していない反応
決定因・形態水準:図版の一部の構造に基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:人間の部位、断定口調
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15秒 0度 |
か弱い女性 |
ここで(d3)、内股。<女性の?>足ですね。<他のところ?>まったく見ていないです。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:人間、断定口調
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Ⅵ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:20秒 |
1秒 0度 |
猫、タイガー |
<猫とタイガーは一緒?別?>タイガーの祖先って猫じゃないですか?だから進化して話したと思います。最終的にはタイガー、詳しくはホワイトタイガー。ヒゲ(d6)、それだけです。<それだけ?>ヒゲでタイガーに見えて、ゆくゆくはホワイトタイガーと見えました。<他のところ?>何も関係ない、感じるもの。 反応領域:図版全体を用いているが、図版の一部だけ明瞭に用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
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15秒 0度 |
肺、人間の |
さっきはこれを見ました。ここ肺っぽいなーと、ここだけ(中央2つの白い楕円)<もし他にも?>ないです。 反応領域:図版に一般的ではない分割を施した(明瞭でない輪郭を分割)、異常な反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な動物、断定口調
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Ⅶ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:25秒 |
1秒 0度 |
オードリー・ヘップバーン |
イギリス人の特徴、顔の輪郭してる(D3内側輪郭)、毛がきゅっとしてるところ(d2?)。この口がオードリーに見えた(D3内側輪郭)、その次はこの髪型(D3内側輪郭)、一言でセーラームーン。<?>なんかアニメ的画だから、それだけです、アニメ的なので、セーラームーン=オードリー・ヘップバーン。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は一部良好であるものの低い。
反応内容:人間の部位、断定口調
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15秒 0度 |
対角線、あの名古屋の魚、何て言いましたっけ?お城にある<しゃちほこ?>そう、しゃちほこ。 |
ハンメンタイ。尻尾(d2)、それだけです。<ハンメンタイというのは?>これはコントラスト!<対角線のこと?>合同なのに反比例してる。対角線で表現できる(D4とD6を対角線で結ぶ)。それでここが尻尾(d2)。反比例が故の、比例の画、なので尻尾に見えて、しゃちほこと見えた。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な動物、断定口調
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Ⅷ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:23秒 |
1秒 0度 |
リンゴ、バレンシアオレンジ |
<リンゴとバレンシアオレンジは一緒?別?>別で、カラーでは一緒。色ですね。この色がリンゴ(D1,D8)、リンリンリンってリンとしているからリンゴ。この色は、赤の混じったオレンジなのでバレンシアオレンジと見ました(D5)。 反応領域:図版に一般的ではない分割を施した、異常な反応
決定因・形態水準:色彩の要素を用いた反応。形態水準は低い。
反応内容:食べ物、断定口調
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5秒 0度 |
何か抑えようとしている女性または……オラウータン |
きっと落石ですよね、落石を抑えようとしてる女性の力、要するにあわの力、一言でいうならあわの力、in Englishと書いといてもらえれば。<泡のあわ?>違う、あ・わ、区別という意味。だからEnglishでOKということ、単語、補足で文字と。<あ・わの力?>そうです。<女性はどこがどう?>ロングヘア(D1外側の輪郭)。<ロングヘア?>ビーナスヘア。<落石は?>ストーン(D7/2)、エジプトの石、一言でいいと思います。 反応領域:図版に一般的ではない分割を施した、異常な反応
決定因・形態水準:人間の運動か姿勢に関する反応。形態水準は低い。
反応内容:人間、自然、断定口調
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20秒 0度 |
悪魔 |
not it。あ、フハイ、一言で。<フハイは腐るという意味の?>はい。<カードのどういった特徴から?>ここのネバー(D3)、そう書いといてもらえれば、ネバーで表現できると思います。<ネバネバのネバー?>英語でnever。 スコア不能
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Ⅸ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:23秒 |
1秒 0度 |
虹 |
カラーオブジュエル、それだけです。<もう少し詳しく?>力(D3)、ラ(D2)、-(D1)、オブ(中央)、ジュエル(D3→D2→D1)、並びで表現してます。 反応領域:図版全体を用いているが、輪郭を意識していない反応
決定因・形態水準:色彩の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲だが低い。
反応内容:自然、断定口調
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5秒 0度 |
雷のどしゃぶり |
not it。 スコア不能
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10秒 0度 |
人間の肺に近いハート |
ハーツ、もつみたいなものです。<どこがどう?>ハーツ=もつと書いといてもらえればありがたいです。<もつ?>焼肉屋さんとかにあるやつです。 スコア不能
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20秒 0度 |
火を吹いている竜 |
これがファイヤー(d1先端)、これが竜の口(d1根本)。<ファイヤーに見えたのは?>トップ、風合いから。<上のほうにあると言う意味?>トップ、ドイツ語で風合いという意味です。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:動物の運動や状態に関する反応。形態水準は低い。
反応内容:非現実的な動物、火、断定口調
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Ⅹ 初発反応時間:1秒 反応終了時間:15秒 |
1秒 0度 |
ピカソ |
ゲルニカ、ドナリー。<ドナリー?>ゲルニカ=ドナリーと書いといてもらえればありがたいです。<ゲルニカに見えたのは?>むちゃくさ、ムショウフジュンから、ピカソ的カラーから。<ムショウフジュン?>ドナリーということです。 反応領域:図版全体を用いているが、輪郭を意識していない反応
決定因・形態水準:色彩の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲だが低い。
反応内容:芸術、断定口調
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5秒 0度 |
タランチュラ |
この絵の形そのものです(D1)。<どこがどう?>まさにそのものです。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:動物、断定口調
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10秒 0度 |
霊界?ん~エナジー |
この汚い色(D6内)、何て言えばいいのか、クイーン、最後のボス的なカラーと。<この汚い色から霊界?>霊界とエナジーの繋がり、霊界=エナジーという意味だと思います。私が言ったのは、たぶんそうです。 スコア不能
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5.3.1.3 典型的な統合失調症の判定事例②
入院が長期化した統合失調症患者の判定事例。
図版 | 時間、カード方向 | 反応 | 質疑 |
---|---|---|---|
Ⅰ 初発反応時間:8秒 反応終了時間:3分27秒 |
8秒 0度 |
コウモリの絵がうつっとります。 |
<コウモリはどうなっていたんですか?>コウモリが、羽、広げたようになっています。<コウモリらしいところは?>暗い所に住んでいるから、洞窟。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物の絵、平凡反応
|
0度 | <他には?>世界地図の図面のように見えます。 |
ヨーロッパ諸国の国々が地球儀の図面の上に映っている。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:地図
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1分35秒 180度 |
<ひっくり返してもいいですよ?>観音さんの像を浮き彫りしたように。 |
<浮き彫り?>すっかり姿が出てるから。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は低い。
反応内容:宗教の絵
|
|
0度 | インクをこぼして反故にする紙。 |
紙が汚れているから、捨てる紙。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:紙、断定口調
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Ⅱ 初発反応時間:15秒 反応終了時間:2分32秒 |
15秒 0度 |
内臓、あの~、人体の肋骨が、映っている、胸部の写真です。 |
胸、中央に骨(D1)。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。白黒の要素と形を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:レントゲン、断定口調
|
270度 | 肉の塊です。 |
肉や魚の切り身、肉屋で売る魚(D1)。<肉の塊らしいところは?>血、ついたぁる(D4)、魚の身か、動物の肉や、と。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形と不定形の色彩の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:魚、血、断定口調
|
|
90度 | 生け捕りにしたけだもの。 |
野や山に駆ける動物を生け捕りにした(D1)。<?>血がついているから(D4,D3)。<頭は?>頭、首の無いのやと思う。<1匹?>1匹を断ち割ったところ。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形と不定形の色彩の要素を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:動物、血、断定口調
|
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Ⅲ 初発反応時間:18秒 反応終了時間:2分55秒 |
18秒 0度 |
人形芝居の人形みたいに見えます。 |
頭、胴、足、手で芝居をする人形(D1) 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。
反応内容:非現実的な人間、平凡反応
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1分10秒 180度 |
魚の骨のように見えます。 |
エビの骨、頭(d1)、尻尾(D4)。<一匹?>一匹、影が、うつっている。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:骨
|
|
2分34秒 0度 |
雪山に見えます。 |
全体が雪(空白部)、山だけが浮き出る。<?>白いよって。<どこから見てるの?>空から見てる。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景と白を用いた反応
決定因・形態水準:白黒の要素と形を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:景色
|
|
Ⅳ 初発反応時間:21秒 反応終了時間:2分5秒 |
21秒 0度 |
動物の皮、皮のように見えます。 |
動物の骨を断ち割って、皮だけ残ってる。<?>全体が皮のように。<?>……。<?>皮に毛がついてあるところのように。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形と材質の要素を用いた反応。形態水準は高い。
反応内容:皮、平凡反応
|
1分30秒 180度 |
世界地図の図面のような。 |
これもヨーロッパ諸国の国が、図面に写っているように。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:地図
|
|
90度 | 雪山のように見えます。 |
全体が雪(空白部)、雪のかかってないとこだけ、残ってる。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景と白を用いた反応
決定因・形態水準:白黒の要素と形を用いた反応。
反応内容:景色
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|
Ⅴ 初発反応時間:42秒 反応終了時間:1分39秒 |
42秒 0度 |
雪山のように見えます。 |
全体、一面に白い中に浮き出てる。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景と白を用いた反応
決定因・形態水準:白黒の要素と形を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:景色
|
1分 180度 |
鳥の羽、広げたように見えます。ハイ。 |
鳥が空を飛んでいるように見えるんです。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:動物
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|
Ⅵ 初発反応時間:14秒 反応終了時間:1分32秒 |
14秒 0度 |
勲章のマークのように見えます。 |
金鵄勲章のマークのように。 反応領域:図版全体を用いた反応。形態水準は高い。
決定因・形態水準:形のみに基づく反応、
反応内容:勲章
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90度 | 弦楽器の楽器の音楽の何のように見えます。 |
三味線のギター、ギターです。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:音楽
|
|
180度 | 動物の皮のように見えます。 |
一匹の動物、骨を割って(D4+D6)、両側が皮でできている。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみと陰影を用いた反応
反応内容:皮、平凡反応
|
|
Ⅶ 初発反応時間:12秒 反応終了時間:1分7秒 |
12秒 0度 |
島国のように見えます。 |
全体が海の中、突き出ているのが陸地。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:島
|
90度 | 肉の塊みたいに。 |
魚か肉の塊が、図面に出てるんやと思います。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:内臓
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|
180度 | 雪山のように見えます。 |
全体が白い中に浮いて出てるのが、図面のように見えます。雪の中にハッキリとうつって出てるのが山です。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景と白を用いた反応
決定因・形態水準:形のみと白黒の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:景色
|
|
Ⅷ 初発反応時間:31秒 反応終了時間:1分17秒 |
31秒 0度 |
レントゲン写真のように思います。 |
骨(D3)、胸(D7)。<他は?>骨です。 反応領域:図版の比較的区別しやすい一部を用い、囲まれた空白部を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:レントゲン
|
270度 | 魚の肉と骨に見えます。 |
ヒラメか、カレイの魚のよう。<骨と肉?>真ん中と両側、骨、両側、ヒレです。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:形のみに基づく反応。形態水準は高い。
反応内容:内臓、骨、断定口調
|
|
Ⅸ 初発反応時間:17秒 反応終了時間:2分27秒 |
17秒 0度 |
油壷に火がついているように思います。 |
うつわの上の方だけしか、映っていない(D1)。これが、煙と火です(D2+D3)。<色は?>関係ないです。やっぱり色です。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:不定形の色彩要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:火
|
2分 270度 |
空の雲、夕暮れの雲のように。 |
夕暮れに、赤い雲とか(D1)、はっきり映る時。これは濃い薄いだけ(D2+D3)。 反応領域:図版全体を用いた反応
決定因・形態水準:不定形の色彩要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:内臓、骨、断定口調
|
|
Ⅹ 初発反応時間:1分16秒 反応終了時間:1分33秒 |
1分16秒 0度 |
雪山のように見えます。それでしまい。 |
分からんのです。 反応領域:図版全体ならびに、空白の背景と白を用いた反応
決定因・形態水準:形のみと白黒の要素を用いた反応。形態水準は許容範囲。
反応内容:景色
|
5.3.2 発達障害に関する検査
5.3.2.1 ADOS-2
5.3.2.2 AQ
5.3.2.3 PARS-TR
5.3.2.4 ADI-R
5.3.3 知能検査
5.3.3.1 田中ビネー知能検査
5.3.3.2 WAIS-Ⅲ
下位検査は、絵画完成(絵の中で欠けている部分を指摘させ、位置空間関係を測定)、単語(単語の意味を問い、語彙の知識を測定)、符号(ヒントから数字の下に記号を書き、事務的処理の速さを測定)、類似(AとBはどこが似ているか問い、言語発達や語彙の知識を測定)、積木模様(モデルと同じ模様の積み木を作らせ、同時総合機能を測定)、算数(算数を暗算で行い、算数能力を測定)、行列推理(空欄に当てはまる選択肢を選び、一般逐次的推理を測定)、数唱(読み上げる数字を順・逆に回答させ、メモリースパンを測定)、知識(一般的な知識を問い、語彙の知識を測定)、絵画配列(物語のカードを順番に並べ、時間概念を測定)、理解(Aなのはなぜか、Bのときどうするか等を問い、一般的な知識を測定)、記号探し(提示されたのと同じ記号を特定し、知覚処理速度を測定)、語音整列(数字と仮名を昇順に並び替え、ワーキングメモリを測定)、組合せ(ピースを組み合わせて形状を作成し、感覚運動能力を測定)の順で実施される。
IQ | 全検査 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
言語性 | 動作性 | |||||||||||||
群指数 | 言語理解 | 同時尺度 | 知覚統合 | 処理速度 | ||||||||||
下位検査 | 単語 | 類似 | 知識 | 理解 | 算数 | 数唱 | 語音整列 | 絵画配列 | 絵画完成 | 積木模様 | 行列推理 | 符号 | 記号探し | 組合せ |
5.3.3.3 WISC-Ⅳ
5.3.4 人格・心の健康に関する検査
5.3.4.1 TEG-Ⅲ
5.3.4.2 YG性格検査
5.3.4.3 MPI
5.3.4.4 MMPI
550の項目は、精神的健康、身体的健康、家族、職業、教育、性、社会、政治、宗教、文化等についての態度に関する。採点は4個の妥当性尺度と10個の臨床尺度で行われ、これらの尺度を合わせて基礎尺度と呼ぶ。妥当性尺度は、?(疑問尺度。「どちらともいえない」の数)、L(虚偽尺度。社会的には望ましいが実際には困難で、被験者が自分を好ましく見せようとする傾向)、F(頻度尺度。出現率の低い回答をした数を表しており、風変わりな回答や自分を悪く見せようとする傾向)、K(修正尺度。検査に対する警戒の程度)がある。例えば、LFKが山型になっている場合、援助を望むあまり症状を誇張している傾向がある。臨床尺度は下表の通り。
尺度 | 高得点時の解釈 | 低得点時の解釈 |
---|---|---|
第1尺度 Hs(心気症) |
身体不調を訴えることによる他者操作 | 楽天的 |
第2尺度 D(抑うつ) |
抑うつ的 | 社交的 |
第3尺度 Hy(ヒステリー) |
身体症状による責任回避、洞察欠如、未熟で表面的 | 委縮して周囲に同調的 |
第4尺度 Pd(精神病質的偏奇性) |
精神病質的、反社会的な反抗と敵意 | 受動的同調的 |
第5尺度 Mf(男子性・女子性) |
男性:女性的な性格や態度 女性:女性らしさにこだわらない |
男性:自信の無さから男らしい男にこだわる 女性:女らしい女にこだわる |
第6尺度 Pa(パラノイア) |
懐疑心や独善傾向が強い | 適応的か、対人的に過敏かどちらか |
第7尺度 Pt(神経衰弱) |
緊張感、不安感が強い | 情緒安定、自分に満足 |
第8尺度 Sc(統合失調症) |
奇妙で風変わり、疎外感 | 現実的 |
第9尺度 Ma(軽躁病) |
活動性が高い | 衝動的 |
第0尺度 Si(社会的内向性) |
内向的 | 社交的 |
5.3.4.5 P-Fスタディ
評価因子は下表の通り。
障害優位型 | 自我防衛型 | 欲求固執型 | |
---|---|---|---|
他責的 | 他責逡巡反応(欲求不満を起こさせた障害の指摘は強調にとどめる) | 他罰反応(とがめ、敵意などを人や物に直接向ける) | 他責固執反応(他人が欲求不満を解決することを期待する) |
他罰反応の変型(とがめられても自分には責任が無いと否認する) | |||
自責的 | 自責逡巡反応(欲求不満を起こさせた障害の指摘は内にとどめる) | 自罰反応(とがめが自身に向けられ、自責・自己非難する) | 自責固執反応(自ら欲求不満の解決のため努力したり、賠償を申し出る) |
自罰反応の変型(環境が悪いとして本質的には失敗を認めない) | |||
無責的 | 無責逡巡反応(欲求不満を引き起こさせた障害の指摘は最小限にとどめるか、存在を否定する) | 無罰反応(非難を回避するか、不可避なものとして欲求不満を引き起こさせた人物を許す反応) | 無責固執反応(時の経過や予期される事態が欲求不満の解決をもたらすことを期待) |
5.3.4.6 内田クレペリン精神検査
24の類型としては、a~dのアルファベットで作業量を表し(aは作業量が多く、bは作業量が下がり、cやdは作業量が少ない)、続く記号で非定型の強さ(個性の強さ)を表す(無印が高度定型で、’がつくと定型、fがつくと準定型、f(A)やf(B)がつくと非定型、f(C)やpは重度非定型)。例えば下図のような傾向なら、「a’f一定型」であり、「気がよく回り、時に細かく気にする。あまり表立たないが気づかいすることが多く、気疲れしやすい。」とされる。
下図の傾向なら、「a’f~f(A)一準定型」であり、「気負いすぎてかえって躓きやすい。意欲的だがやや自分のペースを乱しやすい。」とされる。
5.3.4.7 CMI
5.3.4.8 GHQ精神健康調査票
GHQ60(原版)は60項目の質問がある。GHQ30は「一般的疾患性」、「身体的症状」、「睡眠障害」、「社会的活動障害」、「不安と気分変調」、「重篤なうつ傾向」の6因子からなる30項目の質問がある。GHQ28は「身体的症状」、「不安と不眠」、「社会的活動障害」、「重篤なうつ傾向」の4因子からなる28項目の質問がある。例えば、GHQ28は下表の質問から構成される。
因子 | 質問 | 答え |
---|---|---|
身体的症状 | 気分や健康状態は | よかった、いつもと変わらなかった、悪かった、非常に悪かった |
疲労回復剤(ドリンク、ビタミン剤など)を飲みたいと思ったことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
元気がなく疲れたと感じたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
病気だと感じたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
頭痛がしたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
頭が重いように感じたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
体がほてったり、寒気がしたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
不安と不眠 | 心配事があって、よく眠れないようなことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった |
夜中に目を覚ますことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
いつもよりストレスを感じることが | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
いらいらして、おこりっぽくなることは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
たいした理由がないのに、何かこわくなったり取り乱すことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
いつもより、いろいろなことを重荷と感じたことは | まったくなかった、いつもと変わらなかった、あった、たびたびあった | |
不安を感じ、緊張したことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
社会的活動障害 | いつもより、忙しくて活動的な生活を送ることが | たびたびあった、いつもと変わらなかった、なかった、まったくなかった |
いつもより、何かをするのによけいに時間がかかることが | まったくなかった、いつもと変わらなかった、あった、たびたびあった | |
いつもより、すべてがうまくいっていると感じることが | たびたびあった、いつもと変わらなかった、なかった、まったくなかった | |
毎日している勉強は | とてもうまくいった、いつもと変わらなかった、うまくいかなかった、まったくうまくいかなかった | |
いつもより、自分のしていることに生きがいを感じることが | あった、いつもと変わらなかった、なかった、まったくなかった | |
いつもより、かんたんにものごとを決めることが | できた、いつもと変わらなかった、できなかった、まったくできなかった | |
いつもより、ふだんの生活を楽しく送ることが | できた、いつもと変わらなかった、できなかった、まったくできなかった | |
重篤なうつ傾向 | 自分は役に立たない人間だと考えたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった |
人生にまったく望みを失ったと感じたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
生きていることに意味がないと感じたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
この世から消えてしまいたいことが | まったくなかった、なかった、一瞬あった、たびたびあった | |
ノイローゼ気味で何もすることができないと考えたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
死んだほうがましだと考えたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった | |
自殺しようと考えたことは | まったくなかった、あまりなかった、あった、たびたびあった |
5.3.4.9 SDS
5.3.4.10 BDI-Ⅱ
選択肢は下表の通り。
番号 | 選択肢 |
---|---|
1 | 0 悲しい感じはしない 1 悲しい感じがする 2 いつも悲しく感じて、追い払えない 3 耐えられないほど悲しくて、不幸である |
2 | 0 将来をとくに悲観するようなことはない 1 将来を悲観してしまう 2 将来に何の期待もないように感じる 3 将来は絶望的で、良くなることはないと感じる |
3 | 0 自分が失敗者だとは思わない 1 私は他の人よりも失敗してきたと思う 2 これまで失敗の連続だったと思う 3 私は人間としてまったくの失敗者だと思う |
4 | 0 これまでと同じように満足感を感じる 1 以前のようにものごとを楽しむことができない 2 本当に満足できるようなことはなくなった 3 何もかも不満足で、うんざりする |
5 | 0 とくに罪悪感を感じるようなことはない 1 罪悪感を感じることが多い 2 ほとんどの時間、罪悪感に悩まされる 3 いつも罪悪感を抱いている |
6 | 0 自分がなにかの罰を受けているとは思わない 1 自分は罰を受けるかもしれないと思う 2 自分は罰を受けるにちがいないと思う 3 自分は、今、罰を受けていると思う |
7 | 0 自分に失望してはいない 1 自分に失望している 2 自分にうんざりする 3 自分を憎んでいる |
8 | 0 自分が他の人より劣っているとは思わない 1 自分の弱さやあやまちに対し批判的である 2 自分の欠点をいつも攻めている 3 何か悪いことが起こると、いつも自分のせいだと自らを責める |
9 | 0 自殺を考えるようなことはない 1 死にたいと思うことはあるが、実行することはないだろう 2 自殺したいと思う 3 もし機会があったら自殺するだろう |
10 | 0 いつもより泣きやすくなったとは思わない 1 以前とくらべ泣いてしまうことが多い 2 いつも泣いてばかりいる 3 以前は泣くことができたが、今はそうしたくてもできない |
11 | 0 これまで以上にイライラするようなことはない 1 以前と比べイライラすることが少し増えた 2 かなりの時間、イライラした気分である 3 たえずイライラしている |
12 | 0 他の人に対する関心を失ってはいない 1 以前とくらべ他の人に関心を持たなくなった 2 他の人に対してほとんど関心がなくなった 3 他の人に対してまったく関心がわかない |
13 | 0 これまでと同じようにものごとを判断できる 1 以前とくらべ判断を先送りするようになった 2 なにかにつけて決めることがとても難しい 3 まったく何も決めることができない |
14 | 0 とくに自分の魅力がおとろえたとは思わない 1 老けて見えるのではないか、魅力がないのではないかと心配である 2 もう自分の容姿は変わってしまい、魅力がなくなったように感じる 3 自分は醜いにちがいないと思う |
15 | 0 だいたいこれまでと同じように働ける 1 何かをやり始めるのにかなり努力がいる 2 何をやるのにも相当な努力がいる 3 何もできなくなってしまった |
16 | 0 いつもどおりよく眠れる 1 以前とくらべよく眠れない 2 いつもより1~2時間早く目が覚め、再び寝つくのが難しい 3 いつもより数時間も早く目が覚め、再び寝つくことができない |
17 | 0 いつもより疲れた感じはない 1 これまでより疲れやすくなった 2 何をやってもすぐ疲れる 3 疲れてしまって何もできない |
18 | 0 いつもどおり食欲はある 1 以前とくらべ食欲がない 2 食欲がかなり落ちている 3 まったく食欲がない |
19 | 0 最近、とくにやせたということはない 1 最近2kg以上やせた 2 最近4kg以上やせた 3 最近6kg以上やせた |
20 | 0 体の調子がとくに気になることはない 1 痛み、胃の不快感、便秘などの体の調子が気になる 2 体の調子が気になって、他のことを考えるのが難しい 3 体の調子ばかり心配し、他のことはまったく考えられない |
21 | 0 性に対する関心はこれまでと変わりない 1 以前とくらべ性欲が低下した 2 性欲がほとんどない 3 性欲がまったくない |
5.3.4.11 IES-R
質問と対応する下位尺度は下表の通りである。
番号 | 質問 | 対応する下位尺度 |
---|---|---|
1 | どんなきっかけでも,そのことを思い出すと,そのときの気もちがぶりかえしてくる。 | 侵入症状 |
2 | 睡眠の途中で目がさめてしまう。 | 侵入症状 |
3 | 別のことをしていても,そのことが頭から離れない。 | 侵入症状 |
4 | イライラして,怒りっぽくなっている。 | 過覚醒症状 |
5 | そのことについて考えたり思い出すときは,なんとか気を落ちつかせるようにしている。 | 回避症状 |
6 | 考えるつもりはないのに,そのことを考えてしまうことがある。 | 侵入症状 |
7 | そのことは,実際には起きなかったとか,現実のことではなかったような気がする。 | 回避症状 |
8 | そのことを思い出させるものには近よらない。 | 回避症状 |
9 | そのときの場面が,いきなり頭にうかんでくる。 | 侵入症状 |
10 | 神経が敏感になっていて,ちょっとしたことでどきっとしてしまう。 | 過覚醒症状 |
11 | そのことは考えないようにしている。 | 回避症状 |
12 | そのことについては,まだいろいろな気もちがあるが,それには触れないようにしている。 | 回避症状 |
13 | そのことについての感情は,マヒしたようである。 | 回避症状 |
14 | 気がつくと,まるでそのときにもどってしまったかのように,ふるまったり感じたりすることがある。 | 侵入症状 |
15 | 寝つきが悪い。 | 過覚醒症状 |
16 | そのことについて,感情が強くこみあげてくることがある。 | 侵入症状 |
17 | そのことを何とか忘れようとしている。 | 回避症状 |
18 | ものごとに集中できない。 | 過覚醒症状 |
19 | そのことを思い出すと,身体が反応して,汗ばんだり,息苦しくなったり,むかむかしたり,どきどきすることがある。 | 過覚醒症状 |
20 | そのことについての夢を見る。 | 侵入症状 |
21 | 警戒して用心深くなっている気がする。 | 過覚醒症状 |
22 | そのことについては話さないようにしている。 | 回避症状 |
5.3.5 投影法
5.3.5.1 TAT/CAT
10枚のみで検査する場合は、男性は1、2、3BM、4、6BM、7BM、11、12M、13MFを、女性は1、2、3BM、4、6GF、7GF、9GF、11、13MFの使用が提案されている。ここでアルファベットはマレー図版が指示しているB=少年、M=成人男性、G=少女、F=成人女性を指す。TATの代表的な図版は下表。
図版 | 図版の内容 |
---|---|
1 | 子どもとバイオリンの図。家族に関するテーマ。 |
2 | 農場と女性(正面向)と男性(背面向)の図。家族や対人関係に関するテーマ。 |
3BM | 家具にもたれかかる人(背面向)の図。攻撃性や抑うつに関するテーマ。 |
5 | ドアを開け部屋を見る女性の図。干渉などに関するテーマ。 |
6GF | 若い女性と中年男性の図。父親や家族に関するテーマ。 |
8GF | 何かを眺める女性の図。健康度に関するテーマ。 |
19 | 雪の積もった家のような絵画的な図。適応力や活力に関するテーマ。 |
20 | 街灯と男性の図。将来に関するテーマ。 |
5.3.5.2 SCT
精研式SCTについて解説する。質問紙には、「私の父は」「私はよく」といった書きかけの文章(刺激文)が並んでおり、頭に浮かんできたことを続けて書き(反応文)、文章を完成するように指示される。できるだけ早く1番から順に実施し、思い浮かばない場合は〇をつけて先に進む。回答が終了したら、裏面に慎重、体重、健康状態、体格に関する個人資料を記入する。Part1が30項目、Part2が30項目から構成される。選択する筆記具や筆跡も分析対象である。分析では、スコアではなく反応文そのものを重視し、形式分析と内容分析を用いる。パーソナリティは、「環境」「身体」「能力」「性格」「指向」の側面に着目する。例えば、下表のような着目点を分析する。
分析方法 | 着目点 | 分析 |
---|---|---|
形式分析 | 反応の長さ(文章が長文か短文か) | 短文を書く人は、自分のことを話したがらない防衛機能が高い、もしくは早とちりで粗雑な傾向。 |
反応時間(一つの文章にかかる時間) | ||
文法的な誤り、読みやすさ | 知的な問題もあるが、文法的に正しい人は注意深い傾向 | |
筆跡(字の大きさや筆圧) | 字が大きい人はおおらか。線や用紙からはみ出す人は自己中心的な傾向。 | |
内容分析 | パーソナリティ | 【知的側面】反応文が年齢相応、時間的・空間的見通しができているか、自分や環境に対して客観的に書けているか分析 【情意的側面】本人の性格の特性を分析 【指向的側面】本人が好きなものや将来について問う刺激文をピックアップし、検査対象の価値観や目標を分析 【力動的側面】コンプレックスや心的葛藤、不安、攻撃性を分析 |
決定要因 | 【身体的要因】容姿や健康、体力の分析。 【家族的要因】家族の雰囲気、人間関係を分析。 【社会的要因】社会での対人関係を分析。 |
5.3.5.3 バウムテスト
5.3.5.4 S-HTP
5.3.5.5 LMT
A4の画用紙と、黒のサインペンと、24色程度のクレパスセットが渡される。最初の「構成段階」では、検査者から指示されるものを1つずつ加えながら1つの風景を作り上げる。描くのは、川、山、田、道、家、木、人、花、動物、石の順番で指示される10個のアイテムである。次の「付加」では足りないと思うものを描き加えるように指示される。「彩色段階」では、できたらクレパスで色を塗る。描画後に、定型はないが、風景の全体や部分について質問する。分析では、アイテムが下表のような独自の意味を持っており、配置した位置(上が精神的、下が肉体的、左が内的・母性、右が外的・父性、真ん中が現在、左下が過去、右上が未来)と合わせて意味付けが行われる。大景群(川、山、田、道)は「世界」の骨格を決定し、中景群(家、木、人)は人間中心的な風情を加え、近景群(花、動物、石)は「世界」に落ち着きを与えるとされる。彩色は風景を修正し、情動づける。空間に関しては、風景をダイナミックな描線で描き、多空間的(キメラ的)で細部にこだわり、色は濃くて種類も多い傾向があるP型(妄想型統合失調症タイプ)と、比較的単調な線で整合的な遠景を描き、色は冬枯れや薄さを特徴とするH型(破瓜型統合失調症タイプ)がある。
アイテム | 意味 | 詳細 |
---|---|---|
川 | 無意識の感情 | 流れ、方向、色の強弱に感情の傾向が出る。穏やかな川は、意識と無意識が無理をしていない状態。真ん中に上下の川は、現実と心の中を分けている状態。 |
山 | 性格の特徴 | 尖った山は父性的。丸みがある山は母性的。 |
田 | 仕事・課題 | 面積が広いと働き者だが、広すぎると意識下で怠惰。右下にあると家庭の仕事が多い。稲穂があると、結果重視。 |
道 | 意識して作り上げた人生の道 | まっすぐの道は安定志向。十字路は決断の時。Y字路は選択の時。真っ黒の道は情緒不安定。行き場のない道は、絶望的な怒り。 |
家 | 自分自身を投影 | 派手な家は、自己顕示欲が強い。貧相な家は、自信が無い。 |
木 | 才能・能力 | 緑がいっぱいだと、才能が豊富、力強い。枯れた木が多いと、いっぱいいっぱいで弱々しい。 |
人 | 人間関係 | 1人だと、自身に目を向けるべき状態で、うつ病や自殺のサイン。2人だと、周りの人間関係に対立し葛藤している。3人だと、調和が大事だと思っている。4人だと、人間関係に疲れている。記号人間だと、ひどく人間に疲れている。 |
花 | 優しさ・愛・結婚 | 左下にあると、愛情が満たされているか不足。 |
動物 | 集合的無意識 | 自分より大きい動物だと、男性的側面(行動的・積極的・攻撃性)。自分より小さい動物だと、女性的側面(情緒的・優しい・人に沿う)。 |
石 | 障害・頑張りの強さ | 右上にあると、将来に不安。 |
足りないもの | 自分のシンボル | 太陽は、生命のエネルギーや健康の象徴。橋は、成功のチャンス。雲は、自由への願望。車は、気分転換や逃げ出したい欲求 |
5.3.6 神経心理学検査
5.3.6.1 CDR
本人への問診や、家族を中心とした身近な人からの情報を基に評価する。下位項目は、「記憶」、「見当識」、「判断力と問題解決」、「地域社会活動」、「家庭生活および趣味・関心」、「介護状況」の6項目があり、各項目について、障害なし(0)、認知症の疑い(0.5)、軽度認知症(1)、中等度認知症(2)、重度認知症(3)で判定し、それらを総合して重症度を判定する。CDRが0.5~1なら軽度認知障害、CDRが1以上なら認知症として捉えることが多い。評価基準は下表の通り。
CDR | 0 | 0.5 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|---|---|
記憶 | 記憶障害なし 軽度の一貫しない物忘れ |
一貫した軽い物忘れ 出来事を部分的に思い出す良性健忘 |
中程度記憶障害 特に最近の出来事に対するもの 日常生活に支障 |
重度記憶障害 高度に学習したもののみ保持、新しいものはすぐに忘れる |
重度記憶障害 断片的記憶のみ残存する程度 |
見当識 | 見当識障害なし | 時間的関連の軽度の困難さ以外は障害なし | 時間的関連の障害中程度あり、検査では場所の見当識良好、他の場所で時に地誌的失見当 | 時間的関連の障害重度、通常時間の失見当、しばしば場所の失見当 | 人物への見当識のみ |
判断力と問題解決 | 日常の問題を解決 仕事をこなす 金銭管理良好 過去の行動と関連した良好な判断 |
問題解決、類似性差異の指摘における軽度障害 | 問題解決、類似性差異の指摘における中程度障害 | 問題解決、類似性差異の指摘における重度障害 | 問題解決不能 |
社会的判断は通常、保持される | 社会的判断は通常、障害される | 判断不能 | |||
地域社会活動 | 通常の仕事、買物、ボランティア、社会的グループで通常の自立した機能 | 左記の活動の軽度の障害 | 左記の活動のいくつかに関わっていても、自律できない 一見正常 |
家庭外では自立不可能 | |
家族のいる家の外に連れ出しても他人の目には一見活動可能に見える | 家族のいる家の外に連れ出した場合生活不可能 | ||||
家庭生活および趣味・関心 | 家での生活、趣味、知的関心が十分保持されている | 家での生活、趣味、知的関心が軽度障害されている | 軽度しかし確実な家庭生活の障害 複雑な家事の障害、複雑な趣味や関心の喪失 |
単純な家事手伝いのみ可能 限定された関心 |
家庭内における意味のある生活活動困難 |
介護状況 | セルフケア完全 | 奨励が必要 | 着衣、衛生管理など身の回りのことに介助が必要 | 日常生活に十分な介助を要する頻回な失禁 |
5.3.6.2 MMSE
5.3.5.3 HDS-R
5.3.6.4 ADAS
5.3.6.5 COGNISTAT
5.3.6.6 WMS-R
5.3.6.7 BVRT
5.3.6.8 三宅式記銘力検査
有関係対語のリストの例は下表の通り。
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
---|---|---|---|---|
人 – 猿 | えびす – 大黒 | 運動 – 体操 | 海 – 船 | 花 – 蝶々 |
田舎 – 田園 | 煙草 – マッチ | 金 – 銀 | 男 – 髭 | 家 – 庭 |
親切 – 情 | 相撲 – 行司 | 命 – 服従 | 春 – 秋 | 役者 – 舞台 |
医者 – 病人 | 空 – 星 | 眠り – 夢 | 机 – 硯 | 立身 – 出世 |
手 – 足 | 汽車 – 電車 | 火事 – ポンプ | 鳥 – 飛行機 | 夕立 – 雷 |
池 – 河 | 氷 – 雪 | 心配 – 苦労 | 雨 – 傘 | 旅行 – 名所 |
軍人 – 戦争 | 寿司 – 弁当 | 木綿 – 着物 | 夜 – 電灯 | 勲章 – 功労 |
馬車 – 自動車 | 葬式 – 墓 | 温泉 – 海水浴 | 病気 – 薬 | 女中 – 台所 |
勉強 – 試験 | 夕刊 – 号外 | 茶碗 – 箸 | 竹 – 虎 | 幸福 – 満足 |
狐 – 稲荷 | 華族 – 平民 | カルタ – トランプ | 梅 – 桜 | 鳩 – 豆 |
無関係対語のリストの例は下表の通り。
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
---|---|---|---|---|
谷 – 鏡 | 地球 – 問題 | 将軍 – 水道 | 火鉢 – 嵐 | 蛍 – 軍艦 |
酒 – 村 | 少年 – 銀行 | 柱 – 切符 | 夏 – 徳利 | 雨戸 – 西瓜 |
下駄 – 坊主 | 入浴 – 鯨 | 鉄橋 – 公園 | 心 – 池 | 練習 – 地震 |
忠義 – 椅子 | つぼみ – 響き | 成功 – 月 | 煙 – 弟 | 材木 – 老人 |
仕事 – 冬 | うさぎ – 障子 | 新年 – 先生 | 犬 – ランプ | 縁日 – 病院 |
娘 – 石炭 | 田植え – 神社 | 猫 – 鉛筆 | 正直 – 畳 | 玄関 – 砂糖 |
蛙 – 巡査 | ガラス – 貧乏 | 屋根 – 菓子 | 学校 – 太陽 | 診察 – 牛 |
柳 – 電話 | 水泳 – 紫 | 財産 – 都会 | 松 – 人形 | 電気 – 藤 |
行列 – 空気 | 停車場 – 真綿 | 商売 – 警察 | 頭 – 秋 | 時間 – 鉄瓶 |
書生 – 袋 | 特別 – 衝突 | けんか – 香水 | 時計 – 嵐 | 洋行 – 手拭い |
5.3.6.9 RBMT
記録用紙、顔写真、タイマー、カード、封筒、ICレコーダ等の用具を使用し、次の順番で検査を実施する。これらは、11個の下位検査項目(姓の記憶、名の記憶、持ち物の記憶、約束の記憶、絵の遅延再認、物語の直後および遅延再生、顔写真の遅延再認、道順の直後および遅延再生、用件の直後および遅延再生、日付を除く見当識、日付の見当識)に対応している。
- 大判顔写真が提示され、その姓名を覚える。
- 検査対象の持ち物が1つ隠され、検査終了と言われたら持ち物を返して欲しいと言うように指示される。
- 20分が設定されたタイマーが鳴ったら、次回の予約を訪ねるように指示される。
- 絵カード10枚が提示され、呼称させられる。
- 読み上げられた物語を、直後に復唱する。
- ダミーを加えた20枚の絵カードから、4で提示された10枚の絵を見つける。
- 未知の顔写真5枚が提示され、覚えやすくするために写真ごとに性別と40歳以上か否か質問される。
- 決められた5ヵ所以上を通る道順と、連絡の封筒を指示された場所に置く要件を覚えるように指示され、直後に実施する。
- ダミーを加えた10枚の顔写真から、7で提示された5枚の顔写真を見つける。
- 見当識と日付の質問を受ける。
- タイマーが鳴るので、3の約束を思い出す。
- 5の物語を復唱する。
- 8の道順と要件を答える。
- 1の大判顔写真が提示されるので、姓名を答える。
- 検査終了が伝えられるので、2の約束を思い出す。